2018-06-25

実証的モデル

似たような経験が繰り返されると、そこにパターンをみてしまうのが人間であり、そのパターンを抽象するために、厳密に繰り返される経験が、つまり実験である。

実験によって実証的なモデルを構築するという点では、近代以降の科学と神話は同じである。媒介変数としての時間や、円環的な時間は、実験と相性がよいのだろう。

一方で、歴史という概念が、厳密には同じ状況が来ることはないという発想を含み、直線的で不可逆な時間を想定するのだとすれば、実験という考え方とは相性が悪いのだと思われる。

実証的モデルは、それを抽象する際に用いられたセンサの特性を反映する。神話が場所によらず共通しているのは、人体のセンサが概ね同じであることの現れであり、科学が世界中で通用し得るのは、同じ測定機器を利用し得る限りにおいてである。

他の動物やロボットのように、人体とは異なるセンサをもつ存在にとっては、神話や科学も違ったものになるはずだ。

No comments:

Post a Comment