2012-06-03

A little voice is urging me on My Ghost


NHKスペシャル「コンピューター革命 最強×最速の頭脳誕生」が良かった。

猿の脳とコンピュータを相互作用させるところまできているとは。。。
本当に攻殻機動隊みたいな時代が実現できてしまうかもしれない。

ちょうどGary Marcus著「心を生みだす遺伝子」を読み始めたところなので、
攻殻で言うところのゴーストの問題が気になる。
Walter Benjaminが「複製技術時代の芸術」の中で書いたところの、アウラにあたるものが
ゴーストだとすれば、思考活動が「複製」されることで生じる問題とはどのようなものか。

最後の方のインタビューで出ていたが、一般的には、それでもやはり人間固有の部分が
残るという見方が強い。
「人間にしかできないこと」など残るのだろうか。
スパコンには論理的判断はできても倫理的判断はできないのか。
そもそも「倫理」って何だ。「大切なこと・もの」って何だ。

伊藤計劃がハーモニーの中で書いていたような、双曲線関数的価値判断をエミュレート
できた時、スパコンは人間になれるのか。
果たして人間はそれを「人間」と呼ぶのだろうか。

まあ、どんな事象も、結局はそれをどう受け入れるかにかかっている。
「自意識」なるものが目覚めてからこのかた、何の迷いもなく受け入れてきた
この世界ですら、無批判に受け入れて良いという根拠などありはしないのに。

自然とはいわば習慣的になった歴史である。」 三木清・著 『哲学入門』より

さて、攻殻のDVDでも見るか。

2012-06-02

Idiom ab esse

(小林賢太郎氏 POTSUNEN 2011『THE SPOT』より)
【ない慣用句】に意味をこじつける

・まばたき八つ(まばたきやっつ)
 まばたきを八回するくらい簡単なこと。
 類義語に「お安い御用」「朝飯前」等がある。
 「朝飯前」と比べてどちらが簡単かは人によりけりで、
 毎日朝ごはんを食べる前にするまばたきの回数が八回以上の人にとっては
 「まばたき八つ」のほうが簡単であることを意味する。


・鬼の朝飯も冷める(おにのあさめしもさめる)
 鬼といえばまわりからも一目置かれる、優秀を絵に描いたような存在で、
 「鬼のように忙しい」毎日の中でも、大抵の雑事は「朝飯前」である。
 彼/彼女は雑事を処理した後の朝ごはんを非常に大切にしていて、
 必ず冷めてしまう前には作業を完了して食卓につくことを旨としている。
 そこから転じて、「これまでからは想像できないほどありえないこと」を
 意味するようになった。
 類義語に「とんびの綱渡り」がある。