あらゆるものは、その都度受け取られる情報が、同一のもの
として抽象されることで同一になる。
昨日の私と今日の私が同一視によって一人の私になるという
意味では、個は情報が割られることによって現れると言える。
割り算とは、同じだとみなす操作である。あまりに膨大な量の情報が入力される中で、同一視によって
An At a NOA 2018-01-30 “割り算”
情報量を減らす抽象過程が、認識や理解というモデル化であり、
世界は割ることなしには把握できないように思われる。
貨幣にはある種の「固さ」のようなものが必要とされる。かつては金の酸化に対する強さだったのが、国家の揺るぎなさや個人の信用、果ては暗号解読の困難さにまで変遷してきた。貨幣が貨幣であるのは、貨幣と商品の間の宙づりの循環論法であるとしても、無限に循環する貨幣形態Zにおいて貨幣の位置を占めるには、耐久性と呼ばれる、エントロピー増大に
An At a NOA 2017-03-07 “シャッター街とショウルーム”
理由の不在としての自然と一意的な理由の存在としての人工ここで言う自然は、理由付けからは逃れているものの、それでも
An At a NOA 2017-01-18 “AIと理由”
世界はなお圧倒的に無意味である。この自然の向こう側にある、
野矢茂樹「心という難問」p.340
「情報が存在している」という言及すら不正確さを含んでしまうような〈リアルな世界〉のことを、アーレントは「世界ならざるもの」
在り方で、端的に情報が在るような
An At a NOA 2016-08-27 “ぼくらは都市を愛していた”
絶え間ない流れに、理由という杭が立てられるよどみの秩序は常に脆さとともにあるが、モートンの言う
ことによってできたよどみ。
そのよどみのことを、心理的身体と呼んでいるの
だろうか。
An At a NOA 2017-04-07 “よどみ”
こうして導入されたエラーによって固定化を免れたからこそ、理由付けによるエラー導入の多様化と高速化のために、
生命という抽象過程は局所的最適化に陥らずに済んでいるのだろう。
An At a NOA 2016-11-02 “SAIKAWA_Day19”
近代以降の急成長は、理由付けによってエントロピー増大がエラー導入がますます加速する人新世は、それだけ多くの
加速したというだけのことなのかもしれない。
An At a NOA 2017-09-15 “タイムマシン”
更新される秩序としての生は、
更新の不在によって死に至り、
秩序の不在によって解かれる。
An At a NOA 2017-08-11 “壊死と瓦解”
新しい〔緊張の〕止揚を見いだしては、すぐにまた世界規模で共有されるのは、「正しさ」自体ではなく、
それが問いへと投げ返される、一種の絶えざる
弁証法的交換を行いうるようになるのである。
イマニュエル・ウォーラーステイン「ヨーロッパ的普遍主義」p.104
「構造」という言葉の重要性とは、建築家が
以下のような障害を乗り越え、支持体系を
考えられるようになったことにある。
その障害とは、二千年にも達する、既存のもの
に関する知識に由来する、蓄積された慣習的な
知恵である。
エイドリアン・フォーティー「言葉と建築」p.431
意識だけでつくったものは無意識には訴えないし、内田先生は研究者であると同時に建築家であり、
無意識だけでつくったものは意識には訴えない。
An At a NOA 2018-01-12 “二重”
デジタルはアナログに比べると離散的であり、それはある規則に従って元の情報を別の記号で置換することで達成される。デジタイズとは、情報を記号によって置換する過程である。要素数の多い集合Aと少ない集合Bの要素同士を対応付けると、Aの異なる要素aiとai'がBの同じ要素biに対応するケースが必ず発生する。鳩の巣原理である。
An At a NOA 2017-12-23 “アナログとデジタル”
拘束条件が複雑に絡み合ってできた独立変数の塊は、何らかの個として認識されるが、個を繋ぐ拘束条件が少なければ、その個にとってはvirtualな世界が広がる。
An At a NOA 2018-01-09 “actualとvirtual”
「集団が、固定化と発散の間でバランスを取ろうとする衝動」
An At a NOA 2016-11-25 “笑い”
距離空間の取り方によらず、何らかの尺度で近いそのとき、自然と浮かび上がった判断基準の裏で、
のに遠く感じられるものは不気味になり得る。
An At a NOA 2017-07-14 “不気味”