2018-02-20

ニクソン・ショック

ドルが金との兌換を停止して久しいが、中央銀行によって金の「固さ」は埋め合わされ、瓦解するようなハイパーインフレは起きていない。既存の通貨との兌換を停止した暗号通貨が乱高下を免れるには、「固さ」を埋め合わせる仕組みが必要になるのだろう。金との兌換がもはや意識されないように、かつて「固さ」を担保していたものは、いずれ忘れられていくように思うが、次のものが現れない限りは、いつまでも残り続ける。

意識もまた、貨幣と同じように、慣習や神様、科学的真理など、人それぞれ、その時々に応じていろいろな「中央銀行」に支えられているが、そもそもの始めは、何かとの兌換によって形成されるのだろうと想像される。意識は、生まれつつあるときに「固さ」をもたらしてくれた何かのことを、親と呼ぶのだろう。

それぞれの個人にとってのニクソン・ショックは、いつ頃だっただろうか。あるいは、人類にとってはどうだっただろうか。いずれにとっても、それは徐々に起きるのだろうし、相対的なものなのだろう。

現在の通貨や意識よりも、よりvirtualな通貨や意識は、どちらが先に通用するだろうか。言葉の「固さ」に頼れる分、意識の方が先だろうという見方もできるかもしれない。

生物学的な親が不要になった時代には、日本語や英語のことを「親」と呼ぶようなこともあるだろうか。

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