2018-02-15

じゃんけん

じゃんけんであいこにならないのは、出された手がちょうど2種類のときである。手の出し方は全部で3^n通りで、手がちょうど2つになる出し方は3×(2^n-2)通りなので、n人でじゃんけんすると、あいこになる確率は、Draw(n)=1-(2^n-2)/3^(n-1)になる。あいこにならない場合、出された手をすべて反対にすると勝ち負けがひっくり返るので、勝つ確率と負ける確率は同じで、Win(n)=Lose(n)=(2^(n-1)-1)/3^(n-1)だ。

n→∞でDraw(n)→1なので、人数が増えれば増えるほど、じゃんけんで決着がつかなくなる。「キュー」を加えるとしたら、あいこに勝敗をつけるようなルールを設定すると、目的が書きやすいと思う。

「キュー」を含まない手があいこなら「キュー」の勝ちで、あいこでないなら「キュー」以外で普通のじゃんけんとして勝敗をつけるというルールを考える。全員「キュー」ならあいこ、一人だけ「グ|チ|パ」ならその人の一人勝ちとする。

n人でじゃんけんしていて、n-m人が「キュー」を出すと、「キュー」の勝率は、Draw(m)=1-(2^m-2)/3^(m-1)、「グ|チ|パ」の勝率は、Win(m)=(2^(m-1)-1)/3^(m-1)だ。Draw(2)=1/3、Draw(3)=1/3、Draw(4)=13/27、…、Win(2)=1/3、Win(3)=1/3、Win(4)=7/27、…、のように、常にDraw(m)≧Win(m)で、mが大きくなるにつれて差はどんどん開いていくので、「グ|チ|パ」を出す人間が多いほど、「キュー」の勝率が高くなる。「グ|チ|パ」を出すのが有利になるのは、n人中n-1人が「キュー」を出して、自分一人だけが「グ|チ|パ」を出す一人勝ちの状況に限られる。「キュー」のあいこが続く中、抜け駆けしようとした人間同士が爆死するだろうと予想され、もはやじゃんけんよりも、たけのこニョッキに近い。

少しルールを変更し、「キュー」がいてあいこでない場合には、「キュー」以外の人間が全員勝つとしてみる。つまり、「キュー」がいてあいこでなかったとき、既に出ている手で勝敗をつけるのではなく、「キュー」以外の全員でもう一回じゃんけんをやって勝敗をつけるということだ。

この場合、「グ|チ|パ」の勝率が2倍になるので、n人中4人以下が「グ|チ|パ」なら、「グ|チ|パ」を出した方が勝率が高くなる。自分一人だけが「グ|チ|パ」でないと分が悪く、もはやたけのこニョッキと化すであろう元のルールに比べると、だいぶじゃんけんの面影が残っている。

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『じゃんQ』
  1. 「グー」「チョキ」「パー」「キュー」の四通りの手を出せる
  2. 「キュー」は人差し指と小指だけを立てた形状とする(9=0b1001)
  3. 「キュー」がない場合の勝敗はじゃんけんと同じとする
  4. 「キュー」がある場合、残りの手が一つだけなら、その手の勝ちとする
  5. 「キュー」がある場合、残りの手があいこなら「キュー」の勝ちとする
  6. 「キュー」がある場合、残りの手があいこでなければ「キュー」だけ負けとする
  7. 「キュー」だけの場合、あいことする

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