2016-07-09

責任主義

あるものに責任を負わせたいがために、そのものの
自由が想定されるのだとすれば、責任の押し付けは
自由の氾濫を引き起こす。

その意味において、自由主義とはそもそも責任主義であり、
それは神が死んだ世界において理由律の出発点を
再創造する必要から生じるものである。

同じ意味において、大いなる原因抜きに共産主義が
失敗したことは致し方のないことであり、
その成功には大いなる原因の創造か理由律の棄却の
いずれかが要されると考えられる。

無意味であることに耐えられないんですよ人間は。
伊藤計劃「ハーモニー」p.375

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