2018-04-10

consume

consumeの語源をたどると、"to destroy by separating into parts which cannot be reunited"に行き着く。

消費者とは、己の秩序を維持するために、別の秩序を解体するものであり、更新され続ける秩序のことを生命と呼ぶのであれば、あらゆる生命は何らかの意味での消費者であるはずだ。

消費対象の秩序の再生速度を超えた消費を行い、消費対象が少なくなったら次の消費対象を探すという行為は、歴史的に何度も繰り返されてきたように思う。資本主義によって新しくなったことと言えば、唯一で汎用な評価基準が生まれたことで、あらゆるものが潜在的な消費対象になったことだ。

一度消費対象になってしまったものは、消費し尽くされるまで消費対象であることをやめられない。選択肢は、緩やかな解体と急激な解体のいずれかだ。緩やかに解体される合間に別のものを解体するのが、つまり「生きている」ということであり、その過程をひっくるめて抽象化したのが資本主義だと言える。

漫画の海賊版サイトは、資本主義の制御された解体の循環に対する乱獲であり、消費の急激な高速化を食い止めるための対策が取られようとしている。その一方で、常に単調に増加するという資本主義の前提を崩さないために、正規とされる仕組みの中では、瓦解しない範囲で極限まで消費を高速化する。

人間は器用だなと思う。

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