2018-04-06

我々は人間なのか?

ビアトリス・コロミーナ、マーク・ウィグリー「我々は人間なのか?」を読んだ。

作るものによって作られるもの。
本書で示される「デザイン」のイメージは、エッシャーの「Drawing Hands」に近い。

デザインする者とデザインされた物という区別があるのではなく、ものの相互作用の過程がデザインであり、その過程自体がほとんどもう人間なのだが、通常は敢えて者と物に分けて、者の側を人間と呼んでいるに過ぎない。「生命の内と外」と同じだ。

道具と装飾、あるいは機能と遊びの違いは、相互作用の途中で一時的に決まるものであり、装飾や遊びがエラーとして発生することで、相互作用は収束という死を免れることができる。エラーが引き起こす不確定性、不安定性が、すなわち思考である。

「我々は人間なのか?」という問いは、最大のエラー誘発装置となることで、人間という過程、デザインという過程を駆動させているように思う。

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