2019-04-14

ニッポン制服百年史

弥生美術館で「ニッポン制服百年史」を観てきた。

似通ったもののうち、特定のものにだけ目印がつくことで、新しい集合が形成される。ここには構造と装飾の関係が現れているように思う。差異の導入によって、既存の同質性が解消され、別の同質性が生じるとき、導入された差異は装飾、元の同質性の基準は構造と呼ばれる。装飾だったものは次第に構造となり、いつかまた次の装飾が現れるまで、同質性は維持される。それはあたかも生命のようである。

軍服というコンテクストは捨象され、和装の文化、経済的な都合、耐久性の条件などを反映しながら「制服」というカテゴリが形成される。同質なものとして固定化しつつある一方で、タータンチェックやコギャルファッションなどの逸脱が時折装飾として導入され、その時々の通信媒体によって伝搬されながら、空間を超えて新しい同質性を形成していく。流行っては廃れる過程の中で淘汰された同質性も、このような展覧会を通して、時間を超えて束の間でも生き返るだろう。

一つのuni+かたちformを志向しながらも、固定化した一に留まることなく、また、いたずらに瓦解してしまうこともなく、常に変容しながら存続していく「制服」は、とても生命的な文化だと思う。

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