2017-06-02

好奇心

好奇心とは、通信できる差異を望むことである。

自分と全く同じ抽象をする対象との通信には差異がなく、抽象特性の変化を引き起こさない。逆に、全く違う抽象をする対象との間には通信プロトコルがないため、そもそも通信できない。通信できる程度の共通部分を有し、かつ、抽象特性の変化を生じ得る程度の差異を有する対象が他者であり、それを求めるのが好奇心である。
他者は他者であることによって不可避的に私と物語を部分的に共有しており、つねに完全な他者では有り得ず、不完全な他者となる。
An At a NOA 2016-05-29 “心という難問
抽象特性の可変性を高く保つことで、入力される情報の変化に対応できる状態を維持することが、心理的身体を実装していることの最大の利点である。おそらく、答えることよりも問うことが大事に思われるのは、答えは抽象特性の変化なしに行えるのに対し、問いは抽象特性の変化の兆しになるからだと思われる。

抽象特性の変化を拒み、思考を固定化することは、好奇心の減退、心理的身体の機能不全、意識の死であると言える。願わくは、物理的身体が機能停止するまで、好奇心が続きますように。

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