2019-05-23

ルポ 人は科学が苦手

三井誠「ルポ 人は科学が苦手」を読んだ。

自分の周囲の局所的な情報だけを利用するのではなく、空間、時間、文化、種など、あらゆる意味で、できるだけ広い範囲の情報を利用し、さらにその外部には別の情報が存在し得ると想定した上で、その時々に手に入る情報にできるだけよくフィットする、シンプルな説明を構築する行為が、科学なのではないかと思う。

つまり、局所的な経験に対する説明の中でも、
 1. 局所をできるだけ広くとる
 2. 局所を大域だとみなさない
 3. 説明は経験に整合している
 4. 説明はなるべくシンプルに
 5. 説明の仕方は変化してよい
という傾向があるものが科学と呼ばれる。

人間に難しいのは、1と2だろうか。
あるいは、5ができないために、3と4に従って構築された説明が、1についていけないのだろうか。
そもそも、元々一つの局所を共有してこなかった人間同士が、1によって半ば強制的に一つの局所にまとめられていくことに不具合があるのか。

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