2018-08-17

伝言ゲーム

通信手段を制限したり、通信内容の冗長性を廃したりすると、誤り検出訂正は難しくなる。伝言ゲームで列の途中にいる人間にとっては、伝わってきた情報が全てであるということだ。

最近では3DCGや合成音声で実物と遜色のないものも見かけるようになりつつあるが、その遜色のなさの多くは、誤り検出を通常よりも困難にすることで達成されているように思う。

究極的には、人間による通常どおりの誤り検出によっても実物と見分けのつかない情報も生成できるようになるだろう。むしろ、人間というセンサ同士が通信する過程において、誤り検出訂正の繰り返しによって彫琢された情報のことを、「実物」や「現実」と呼んでいるだけだ。

誤り検出されないことに気付かない情報の違いは、その「現実」にとってはどうでもよいものであるが、誤り検出の特性が異なる別の「現実」との境界において、その違いが際立つことがある。

国家間、宗教間、異文化間、リアルとネット、RealityとXR (VR, MR, AR)、人間と自然。境界は遍在しており、衝突するまではどのようなものかもわからないが、そのようなものがあり得ると考えておくだけでも、少しは衝撃が和らぐだろう。

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