2018-08-18

これがあれを滅ぼすだろう

「ああ!これがあれを滅ぼすだろう」
ヴィクトル・ユゴー「ノートル=ダム・ド・パリ」p.175

建築術の生み出す荘厳な石の書物に支えられた教会から、印刷術の生み出すマスな紙の書物に支えられた国家へ。

この中世から近世への変化が起きてからおよそ500年経ち、通信術の生み出す網状の光の書物に支えられた〈帝国〉によって、国家が滅ぼされる番が来た。

近代化によって教会や建築が消滅したわけではないように、情報化によって国家や書籍がなくなるわけではない。しかし、判断基準の軸は確実に移行しつつある。

大聖堂の象徴的な空間。
摩天楼の均質的な空間。
次の空間は、必ずしも物理的な情報だけで成立するような空間であるとは限らない。
人間の思想はその形態が変わるにつれて表現様式も変わっていくのだ
同p.177

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