2016-05-25

Allo

Google I/Oで発表されたAlloについてギズモードに
こんな記事が出ている。

Googleの新メッセージアプリで、人は感情を失う


既にInboxにも搭載されている自動返信の機能に対する
危惧のようなものを述べている。
「メッセージ受け取った側は、それが心から思って1つ1つ
タイプされたメッセージなのか、それともアプリが提案した
メッセージなのか、それを知る術はあるのか?」と問いかけています。
との文言があるが、とても的外れだと感じる。

社会心理学講義」や「責任という虚構」で展開された話、そもそもは
デュルケムの「社会学的方法の規準」かもしれないが、個人の行動
というのはかなりの程度、集団の影響を受ける。
ここでの例で言えば、相手のメッセージや写真を見たときに、どのような
反応を示すかという原因が、完全に個人に由来していると思い込むのは錯覚だ。

むしろこういった機能の嫌なところというのは、その個人が影響を
受ける集団についての情報を機能提供側が完全には得られないため、
影響元になる集団が縮小され、歪められたかたちで再現されることで、
思い浮かぶ文面と提案される文面に微妙な(ときには大きな)ズレが生じる点だと思う。
もし集団が完全に再現されるのだとすれば、人間がタイプしようとした文面と
提案された文面は一致するはずだ。

その再現性が飛躍的に上がったために、不気味の谷にはまっているだけだよね、
というのが率直な感想である。

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