2019-01-31

息吹

テッド・チャン「息吹」を読んだ。

エネルギーの流れを介して維持されるパターン。局所的にエントロピー増大から逃れるその様には、生命を見出すことができる。

エネルギーの流れが止まればパターンは解消され、それを構成していたエネルギーや物質は残っても、生命は消え去る。

熱学思想の史的展開」の最後で山本義隆が指摘していたことを、熱力学の教科書でも、ありがちなディストピア小説でもないかたちで、極めて素直に描き出している。

これは、熱力学第二法則についての傑作である。

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