2018-10-23

かき氷シロップ

かき氷シロップが全部同じ味という話は、味覚というセンサが視覚や嗅覚などの他のセンサと独立に機能するという発想に基づいているように思う。

そもそもシロップ自体が、イチゴやメロンといったものから、視覚の大部分や触覚を捨象し、風味だけを抽象しようとするものであるから、シロップを作ろうという立場も、それらは全て味覚的には同じだとする立場も、大同小異であると言える。

センサ間に成立するコンセンサスのことを現実と呼ぶならば、近代の要素還元主義は、一つの物理的身体に備わる多種類のセンサがつくり出す現実に加え、複数の物理的身体に備わる一種類のセンサがつくり出す現実を発展させることを可能にした。

この新しい現実はVRと呼ばれる。かき氷シロップもVRの一種だ。

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