2015-11-13

代数的構造

友人に勧められた森敦の「月山」「意味の変容」を
読み進める中で、「構造」とは何かと考えることが多くなった。
建築の構造を専門とするからには、
非常に重要なテーマであると言ってよい。

森敦がヒルベルトに影響を受けているということで、
久しぶりに数学に関する本に手を出してみた。
 ・代数的構造 遠山啓
 ・無限と連続 遠山啓
 ・現代数学入門 遠山啓
 ・現代の古典解析 森毅
 ・思想の中の数学的構造 山下正男
 ・論理学史
 ・圏論による論理学 清水義夫
寄り道的な買い物が多く、明らかに買いすぎた。

「代数的構造」から読み始めているが、
遠山先生の文章はとてもわかりやすい。

数学者が構造を作り出し、物理学者が実在と結びつける、
あるいは物理学者が必要な構造を依頼し、数学者が創造する、
という例えは、建築家と構造家の関係にも似たところがある。

森敦の「現実的構造」と「実現的構造」をとれば、
実在する建築物や船、植物等から表面的な部分を捨象し、
そこに潜む共通事項を削りだしていくのが帰納による「現実的構造」であり、
応力伝達の在り方のようなものから公理を設定し、
トラスやラーメンといったものを創造していくのが演繹による「実現的構造」
なのだろうか。

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