2016-09-20

仕事をしたいか

仕事をしなくて済むのがよいと口では言うものの、やはり仕事を
していたいと思うのが、意識を保ちたい人間の性なのだろう。
An At a NOA 2016-05-02 “自動化
ということを以前書き、それ以来よく、「やっぱりなんだかんだ
言って人間は仕事してたいんだよね」と思うことが多い。

「仕事をしたいのではなく、仕事をしていないのをみられたくないのだ」
という反論があるかなー、ということを考えていたのだが、やはりそれは、
勤労の美徳というものは、仕事をすることがよいことだという正義を
掲げないと人間社会が成立しなかった時代の名残に、いつかなっていく。
An At a NOA 2016-05-26 “もったいない?
という時代が来たときに、じゃあ仕事しなくてよいですよ、と放り出される
ことが想像できていないだけなんじゃないかと思われる。

仕事という言葉で代表される、やるべき理由付けがされた一連の動作というのは、
人間の意識にとって、文字通り精神安定剤となっている。
理由付けによって構築された意識は、理由付けによるエネルギーの供給が
絶たれると死の淵に落とされる。
(あるいはそこで供給されているのはシュレディンガーが「負のエントロピー」と
呼んだものと言えるかもしれない。)

ウロボロスが解体されたら、それはもうウロボロスではないのだ。

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