2016-09-09

DecNef

顔の好みを好き・嫌い両方向に変化させるニューロフィードバック技術を開発


大変興味深い研究。

ただ、顔の好みの好きと嫌いを異なる認知機能としているが、
これって同じ認知機能に対する状態の違いとして整理可能では
ないかという点に疑問が残る。

あと、機能局在論に対する反局在論という呼び方は非常に誤解を
招く表現のように思われる。
機能全体論は、脳全体での活動パターンが認知機能と対応し、
機能局在論は、局所的な脳領域の活動パターンが認知機能と
対応した上で、全体を横断するネットワークが存在する、というように
理解をしていたので、帯状皮質という局所的な領域の挙動に着目するのは
局在論ベースだと感じられる。
(というか、カンデル神経科学第1章を読んだ時にも思ったが、
局在論よりもコネクショニズムという名前の方が合っている。)

それとも、機能全体論とは、ある程度どの領域でも、任意の認知
機能をエミュレート可能という意味で、機能局在論とは、認知機能と
活性化領域の対応が固定的という意味なのだろうか。
そういう意味なのであれば、反局在論という呼び名は正しいと言える。
そして、活性化領域の局所化が単なる実装上の都合なのだとすれば、
特定の機能をどこに割り当てるかは調整可能だろうから、方向性としても
妥当だと考えられる。

No comments:

Post a Comment