2016-09-09

貨物輸送

鉄道を活用した物流実証実験を実施します!


よい着眼点だと思う。

移動の問題は、どこかまだ先のことのように思われ、
省庁の移転が滞っていたり、高速道路やリニアの
開発もまだまだ行われているが、エネルギィ問題が
解決しない限り、いつかはやってくる話だ。

人の代わりにものや情報が移動する時代において、
物理的には〈都市〉=「千三百万の人間を、各各〈独り〉で
生かすことができる能力を持っている、マシン。」にいるのに、
心理的にはそれに対抗する〈田舎〉にいるという、
究極の社会を築くことになるだろうか。

ソフトウェア側の実験は、すでに数あるソーシャルメディアへの
落とし込みとして始まっているが、ハードウェアの方も少しずつ
準備が始まっているようだ。

ソフトウェアはハードウェアに非依存でいられるだろうか。
それは、身体なき意識、あるいは紙媒体なき書籍、
などと同じ問のように思われる。

DecNef

顔の好みを好き・嫌い両方向に変化させるニューロフィードバック技術を開発


大変興味深い研究。

ただ、顔の好みの好きと嫌いを異なる認知機能としているが、
これって同じ認知機能に対する状態の違いとして整理可能では
ないかという点に疑問が残る。

あと、機能局在論に対する反局在論という呼び方は非常に誤解を
招く表現のように思われる。
機能全体論は、脳全体での活動パターンが認知機能と対応し、
機能局在論は、局所的な脳領域の活動パターンが認知機能と
対応した上で、全体を横断するネットワークが存在する、というように
理解をしていたので、帯状皮質という局所的な領域の挙動に着目するのは
局在論ベースだと感じられる。
(というか、カンデル神経科学第1章を読んだ時にも思ったが、
局在論よりもコネクショニズムという名前の方が合っている。)

それとも、機能全体論とは、ある程度どの領域でも、任意の認知
機能をエミュレート可能という意味で、機能局在論とは、認知機能と
活性化領域の対応が固定的という意味なのだろうか。
そういう意味なのであれば、反局在論という呼び名は正しいと言える。
そして、活性化領域の局所化が単なる実装上の都合なのだとすれば、
特定の機能をどこに割り当てるかは調整可能だろうから、方向性としても
妥当だと考えられる。

2016-09-07

細かすぎて伝わらないモノマネ

「シンゴジラのここがリアル!」というワイドショーの
特集を見ていて、要するに世間で言うところの「リアル」
ってえのは「細かすぎて伝わらないものまね選手権」なんだな、
という思いを抱く
ふわうさ  ⚒ 一汁一菜
@mannin
https://twitter.com/mannin/status/773317495323176960
リアルさの共通認識が得られたのであれば、細かすぎるかも
しれないけど、伝わってはいるのでは。
そのリアルさがあったからこそ、「シン・ゴジラ」は、多くの人が
自ら体験したことのように語りたがる対象になったのだ。

そもそも、「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」とは、
大量の観察を行った人間だけが行える「意味付けによる模倣」を
披露することで、「理由付けによる模倣」とは一線を画した
リアル感が得られるところが面白く、
リアル感は「伝わる」んだけど、その理屈は「伝えられない」
という意味なんだな、などということに思いを致した。

これって、いわゆる「現実」も同じ仕組みではなかろうか。
すべてが理由付けされた情報というのはおそらく現実感に乏しく、
だから現状のVRはまだまだだと感じられてしまうのかもしれない。
意味付けのレベルでセンサ間(一つの人体の中でも、人体間でも)の
コンセンサスが取れるようになると、より現実になれるのでは。

God is in the detail. (神は細部に宿る)
Ludwig Mies van der Rohe
建築学科出身なら誰もが知っている標語だが、改めて解釈してみると、
大いなる原因である神は「現実」の原因でもあり、
「現実」感を支配する意味付けと理由付けの差が最もはっきり出るのが
ディテールである、という理由付けができる、ということなのかもしれない。
注意すべきなのは、ディテールは意味付けによって「現実」感を
生み出すため、それ自体は神=理由付けの終着点ではないことだ。
(ここでの「現実」は「美」「真」等と読み替えてもよい。)
God is the detail.ではなく、God is in the detail.なのである。

2016-09-06

GetDeviceCaps

golangのshinyでwindowsの描画がおかしいと思ったら、
5月に入ったコミットのせいだった。

windraw.goの中で、GetDeviceCapsでSHADEBLENDCAPSを
調べているのだが、手元のPCでは正しい値を返さないらしく、
AlphaBlend関数が使えないと判断されてしまっているようだ。

取り急ぎチェックを飛ばすようにして事なきを得ているが、
そもそもこのチェック方法はもう使われていないんじゃなかろうか。
MSDNには「windows98とwindows2000」と書かれている。

代替方法が分かり次第報告しておこう。

2016-09-05

表現の自由

伊被災者をパスタに風刺 シャルリー・エブドに非難集中


シャルリー・エブドの風刺画がまた話題になっている。

表現の自由に限らず、あらゆる自由には責任が伴う。より精確には、責任を問いたいがために自由が想定される。

裏に、問う必要がない責任については、自由が想定されない、という命題もまた、この一件の報道を見ていると真だと感じられる。

その表現によって、表現者がどんな責任を負わされているのかについてのコンセンサスが得られない限り、集団から表現の自由を与えられることはないのだろう。


p.s.
「逆に」という表現は日本語として自然だが、「裏に」という表現は不自然だ。論理学で言うところの「逆」はconverse、「裏」はinverseだが、converselyもinverselyも「逆に」と訳されるのは納得がいかない。
ということで使ってみた。やはり不自然である。

2016-09-04

Firebase

Googleドライブ上でウェブサイトをホスティングできる
機能が地味に便利で、結構使っていたのだが、
8月いっぱいで、終了になってしまった。

htmlやcss等をホスティングだけしてくれればよいのだが、
終了を知らせるメールで、代わりとしてFirebaseを勧めて
きていたので、使ってみた。


1. npmを入れる

2. FirebaseのCLIをインストール
npm install -g firebase-tools

3. 作業フォルダの準備
mkdir sample && cd sample
firebase init
ここでいろいろきかれるので、
[*]Hosting
[*]create a new project
を選び、後はデフォルト値とした。

4. Firebase consoleでプロジェクト作成
プロジェクトを作成すると、「プロジェクトの設定」の中に
プロジェクトIDが書いてあるので、
firebase use プロジェクトID
としてプロジェクトと接続する。

5. ファイルのデプロイ
デフォルトでは作業フォルダに置かれたpublicフォルダ内の
ものがデプロイされるようだ。
中身を編集して
firebase deploy
すると、デプロイ後にウェブサイトのアドレスが表示される。

しばらくはこれでいこう。

p.s.
まったく関係ないが、stの表示に使うための
見出し明朝のフォントが欲しい。
游明朝体 StdN Eがよさげ。

2016-09-02

量子論の基礎

量子論をちゃんと勉強し直すために、
清水明「量子論の基礎」を読んでいる。

物性化学あたりの授業でシュレーディンガー方程式を
やった記憶はあるものの、この本を読むことで、
量子論の根本的な考え方が理解できるように
なったように思う。
stをコーディングするにあたって、線形代数をかなり
勉強し直した影響もあるが、記述がとてもわかりやすい。

波束の収縮という、言葉だけでふわっと理解していたものが、
理想測定を行ったときにおきる、測定した物理量に対応する
演算子の固有ベクトルの方向への状態ベクトルの射影であり、
そのため、測定によって系に反作用が生じてしまうことになる、
という説明はすっと入ってきた。
射影仮説はとても興味深い。

第3章の終わりで、ボルンの確率規則と射影仮説の関係に
触れる中で、被測定系と測定器の境目が暗に仮定されており、
ハイゼンベルク・カットと呼ばれる、という話が出てくる。
センサと情報を切り分ける妥当性は、果たしてあるだろうか。

第8章のベルの不等式から読んだのだが、飲み込めない
ことも多く、最初から読み直し中。
久々に物理学に浸っている。