2012-10-06

残差


ふと空を見上げると
空の端っこにはまだ、
夏の名残が居座っている。
Looking up at the sky,
I found the remainder of summer
lingering on the edge.


「今年の夏は収束が遅いですね。」
``This summer converges really slowly.''
「きっと行列の性質が悪いんだろう。
いつまで経っても消えない残差ベクトルみたいな
ものだよ。」
``The matrix should be ill-conditioned.
Just as the residual vector stays for long.''


「土用の残差ベクトル」より

2012-09-18

kikan

「期間(period)」と変換しようとして、
「機関(engine)」に続いて「器官(organ)」が現れる。

きっと伊藤計劃の影響だ。

そういえば機関も器官もorganだな。

2012-09-09

自然な死

数日前にNHKで見たニュース。
イギリスのトニー・ニックリンソンさんの死ぬ権利について。
全身麻痺を患い、自ら安楽死を望んでも、自由には死ねない社会。

安楽死を不自然な死と呼ぶなら、自然な死とは何だったのだろう。
医療が先進していくに従って、疾病での死亡率は漸減してきている。
そのうち、病気で死ぬなんて滅多に起こらないという、
ハーモニーで描かれたような社会は実現しうる。

スカイ・クロラシリーズのどこかで、草薙水素が言っていた、
自分の死のスケジュールを決められるなんて最高だという台詞が響いてくる。

もはや、自由には、死ねない。
(別にまだ死にたくないけど。)


2016-10-11 追記
自分の死のスケジュールの話は、真賀田四季であった。
私、自分が死ぬ日をカレンダに書きたいわ…。
こんな贅沢なスケジュールって、他にあるかしら?
森博嗣「すべてがFになる」 p.497

2012-08-11

FizzBuzz

気が向いたので書いてみる。

fizzbuzz=lambda num:"".join([["",word][int(divmod(num,base)[1]==0)] for word, base in [("Fizz",3),("Buzz",5)]]) or str(num)

2012-08-06

読書の夏

日本語は天才である(柳瀬尚紀 著)
秘密(東野圭吾 著)
プラチナデータ(同上)
読了。

柳瀬さんがフィネガンズ•ウェイクの訳者であることは
寡聞にして知らなかったが、日本語の巧みさに感服する。
パングラムを創るにはもっと日本語を知らなければと痛感する。
--
プラチナデータは正直あまり興味をもてなかったが、秘密には
揺さぶられるものがあった。
単行本出版当時、事故にあった藻奈美とほぼ同い年で、現在
ラストの藻奈美と同い年。干支が一回りもするだけの月日を、
どんな気持ちでやり直せるだろうか。
物語中盤、係長に出世した平介に対する中尾の台詞、
「会社ってのは人生ゲームだよな。」の下り。
現場と上の距離感が、二人の距離感に巧く投影されていると思う。

二人の秘密が一人の秘密になる過程が、年老いるしかない男には
どうしようもなく堪える。

2012-07-28

草化けて花となる


厩橋から吾妻橋まで行くも、結局諦めビルの合間から
夜空に散る閃光を眺める。
去年長岡で観た空一杯に広がるのとはまた違う景色。
都会の花火はビルのガラスに良く映る。
おかげで一足先に帰りながらも花火が眺められる。

御茶ノ水豚野郎にて食事を摂りつつ、自宅まで歩く。
そういえば山手線を一周歩いたのはもう7年も前だ。
あの日と変わらず今夜も暑い。
化わらない部分も、化わった部分も大事にしていこう。

Dance on the B/W keys

Brad Mehldau Trio @ サントリーホール

Brian Blade以来のジャズの生演奏。
Brian Bladeを聴いたBlue Noteに対し、ホールというとクラシックのイメージが強く、
それが聴衆の乗りにも影響してくるのだなあと。
乗りが悪いというわけではなく、ホールの空気が御行儀よくさせてしまうというか。

Ten tunesという曲でバスのLarry Grenadierがボウを使っていて、珍しいなと思った。
この曲、バスとドラムスの上をピアノが転がってる部分があったり、ピアノのソロが
あったりでなかなか好きだった。
あと、最後のアンコール曲のJeff Ballardのドラムスソロが圧巻。最高潮のところとかはどんな筋肉
使ったらあのスピードで叩けるんだろうか。
ドラムスソロの裏でMehldauが椅子の上であぐら組んでいるのも面白かった。
あの時の写真、ないのだろうか。

昨日は良い一日だった。
今日からまた頑張れそうだ。