市川沙央『ハンチバック』を読んだ。
情報世界に対する物理世界の重さの描写が鋭い。マチズモとか摩擦とか堕胎とか、生きている現実(=物理世界)とライターとしての著述(=情報世界)の対比。それに加え、この作品(=情報世界)と作者(=物理世界)の対比。そのオーヴァラップが作品の強度につながっていると思う。
市川沙央『ハンチバック』を読んだ。
情報世界に対する物理世界の重さの描写が鋭い。マチズモとか摩擦とか堕胎とか、生きている現実(=物理世界)とライターとしての著述(=情報世界)の対比。それに加え、この作品(=情報世界)と作者(=物理世界)の対比。そのオーヴァラップが作品の強度につながっていると思う。
現実とは情報の斉一性を共有した状態のことである。
自然の斉一性Uniformity of Natureに論理的根拠がないように、情報の斉一性Uniformity of Informationも論理的に帰結するものではなく、バラバラであっても不思議でないものたちが一つのかたちをなしているとみなす一種の信仰である。
それを他人や周囲の環境と共有するという舞台設定こそが、現実なのだ。
人間側の情報の受け取り方で斉一性が崩れる場合には妄想になり、環境側で情報の斉一性が失われたように見える場合には幻想になる。斉一性を保ってはいるが限られた範囲でしか信仰が共有されていない場合には虚構になる。
―-じん【宇宙人】①地球以外の天体に生息するとされる、高度な知能を持った生命体。
うちゅう【宇宙】①世間または天地間。万物を包容する空間。②[哲]時間・空間内に秩序をもって存在する事物の総体。また、それら全体を包むひろがり。③[理]すべての時間と空間およびそこに含まれる物質とエネルギー。④[天]すべての天体を含む空間。また特に、地球の気圏の外。
てんたい【天体】宇宙空間にある物体。銀河団・銀河・恒星・衛星・彗星・星雲などの総称。―-くうかん【宇宙空間】恒星または惑星の間の空間。地球についていえば、一般に、ふつうの航空機が飛べる限度(高度約三十㌖)以上の空間。